新司法面接プロジェクトの中間報告について
特例認定NPO法人子ども支援センターつなっぐ(横浜市中区 代表理事:田上幸治、飛田桂 以下「つなっぐ」)は、2022年9月より、アメリカのNational Children’s Advocacy Center(NCAC)※1のコンサルテーションのもと、⽇本の法制度及び社会文化的環境により一層即した形で、子どもに対する司法面接※2が行われる必要があるとの認識に基づき、日本版司法面接プロトコルの研究・開発(新司法面接プロジェクト)を実施してきました。今回、現時点における研究成果を中間報告書として公表することをお知らせします。
詳細については、こちら (https://tsunagg.com/jfi )をご覧ください。
プロジェクト報告書の概要
I.本プロジェクトの意義・位置づけ
II.子どもに対する司法面接の構造
III 司法面接の台本(簡略)
現状の課題
現在、日本で紹介・実践されている司法面接プロトコルは、元々、外国の児童虐待法制、対応機関の在り方を前提とした、一連の児童虐待対応システムの一部分をなすものです。現在では、その中で、特に、子どもに対する司法面接における実際の聴取部分のみが日本の関係者らの間で広く知られ、日本において司法面接が普及してきましたが、子どもに対する司法面接の構造全体についての理解が広がっていないことにより、プロトコルの独り歩きや誤解による弊害も散見されるように思われます。
また、⼦どもたちが安全な環境下で供述する権利、利益の実質的保障や、⼦どもたちが裁判所に廷すること等による⼆次被害の防⽌が不⼗分である等の課題があります。
プロジェクトの目的
当プロジェクトは、子どもの権利擁護に資することを目的として、⽇本の法制度・社会文化的環境に一層即した形で子どもに対する司法面接が行われる必要があるとの認識に基づき、NCAC (National Children’s Advocacy Center)によるコンサルティングを受けつつ、①司法面接に関わる人たちが使いやすく※3 ②中立性があり ③子どもに負担の少ない日本版司法面接プロトコルの研究・開発を行うものです。このたびの報告書はその一環としてのものです。
※1 NCAC(National Children’s Advocacy Center)について
NCACは、1985年の設⽴以来、虐待を受けた⼦どもやその家族への対応について、世界中の138,000⼈の専⾨家に研修やコンサルテーションを行い、研究や⽂献等の提供を⾏なっています。
※2 子どもに対する司法面接
虐待や暴力等の被害を受けた子どもに対し、研修を受けた専門スタッフから誘導・暗示のない面接を行い、被害を受けたとされる体験・出来事を聞き取ります。
できるだけ早い時期に、できるだけ多くのナラティブ(子どもが自分の言葉で主体的・自発的に話すこと)を求め、それを録音録画することで正確な記録を残します。
※3 司法面接に関わる人たちが使いやすく
本プロジェクトでは、日本で現在行われている取組の実情や課題等を把握し、かつ実際の面接者らが利用・参照可能な日本版司法面接プロトコルを作成するため、実際に代表者聴取・協同面接・司法面接に関わっている実務者・研究者らとの協議やヒアリングを行いました。