系統的全身診察では、頭からつま先まで全身のパーツを一つ一つ丁寧に診察しますが、子どもの体は回復が早いこともあり、その診察ですべてが分かるわけではありません。
そのため当診察においては、司法面接で語られなかった被害の開示を得ることと、心理的ケアの2つがとても重要になります。
診察時の問診で、身体のパーツごとに具体的に危害歴を聴いていきながら、全身を診察するため、これまで語られなかった被害事実が開示されることもあります。
また性被害を受けた子どもの中には、自分の身体に取返しのつかない傷がついてしまったのではないかと大きな不安を抱き、それを人に話せないままの子どももいます。
だからこそ、「あなたの身体は大丈夫だよ」と伝えるためにも、系統的全身診察が必要なのです。